2019年度第2回シンクロトロン光産業利用セミナー(参加費無料)

日常生活に生きる放射光分析


日  時  2020年1月24日(金) 13:30~16:55(~17:30)
場  所 
愛知県産業労働センター「ウインクあいち」 11階  1101会議室
  ウインクあいちHP   :   http://www.winc-aichi.jp/
主  催  (公財)科学技術交流財団 あいちシンクロトロン光センター
協  賛 
光ビームプラットフォーム

  

概要

 シンクロトロン光(放射光)の使いどころを分かりやすくご説明いたします。
 現在国内には共用のシンクロトロン光施設が6施設あり、産業分野の利用実験が活発に行われております。そこであいちシンクロトロン光センターでは、興味はあるものの、未だご利用されていない産業界の方々を主な対象に、分野毎に企画したセミナーを継続的に開催しております。
 本年度第2回は、私たちの身の回りにあるモノを対象に、シンクロトロン光を利用することでどのようなことが分かるかを具体的にご紹介いたします。それぞれの適用例の特徴をご理解いただくことで、皆様にとって興味から利用へと一歩踏み出す一助となることを期待しております。

プログラム 

13:30~13:35
1. 開会挨拶
13:35~14:20
2. 放射光X線を用いたCTと食品の品質評価
日本大学 生物資源科学部     小林 りか 
  
  食品の美味しさには、味や香りだけでなく、”歯ごたえ”や”なめらかさ”といった食感が大きな役割を果たします。そのため食品の構造情報を得ることには重要な意義があります。シンクロトロン光を利用したX線CTは、高輝度かつ単色のX線を利用するため、密度分解能に優れ、多成分系である食品のin-situでの測定が可能です。本発表では、食品の中でも特に凍結操作に付随する食品の構造変化に関する研究例についてご紹介いたします。
14:20~15:05
3. 温故知新、文化財の化学分析から ~県内出土陶片の解析を中心に~ 
愛知県陶磁美術館     田村 哲 
 
  「考古学と自然科学」:科学的な測定法の進歩により、大切な文化財を非破壊で高精度に分析することで、いつどこで、誰がどのように作ったか、等を解明する手掛かりを得てきました。
  「温故知新」:やきもの制作の技法も、長く伝統的な産業ですが客観的な記録が残されておりません。やきもの作りの技術解明の一助として、県内出土陶片のX線測定により、陶片が焼かれた温度域、焼成条件等を検討いたしました。
15:05~15:20
4. 休憩(15分)
15:20~16:05
5. 放射光で解くコンタクトレンズの不思議 ~その偶然と必然~
(株)メニコン     伊藤 恵利 
 
  コンタクトレンズはゲルの産業利用の代表例ですが、その開発は酸素透過性の向上をテーマとし、Poly(hydroxyethyl methacrylate)に始まり、含水率の向上により酸素透過性を増加させた素材に移行し、高酸素透過性シリコーンハイドロゲル(SiHy)素材へと変遷してきました。SiHyは、親水・疎水成分からなる両親媒性素材であり、新規材料の分子設計にあたっては、構造制御がキーとなります。放射光施設を横断的に活用することで解明した、SiHyの構造に関して紹介させていただきます。
16:05~16:50
6. シンクロトロン光を利用した化粧品開発 
日本メナード化粧品(株)     浅野 浩志 
 
  化粧品開発においては、まず基礎化粧品やメイクアップ化粧品等をつくる製剤技術があり、さらにこれらを実際に肌に塗布した際の効果の評価が重要です。例えば、製剤上での構造解析や安定性評価、安全性の担保、化粧品としての効果について科学的なエビデンスが求められます。このような観点から、ナノレベルの構造解析や成分分析をシンクロトロン光で行うことは、新たな知見を得るために必要不可欠な研究と考え、これまでにあいちシンクロトロン光センターの各ビームラインで測定を行ってきました。今回は、これまでの測定で得られた知見をご紹介いたします。
16:50~16:55
7. 閉会挨拶
16:55~17:30
8. 個別利用相談(お申込みに応じ、コーディネータが対応いたします)
 
 

申込方法

 こちらからお申込ください。(申込締切:1月22日(水)17:00)  

 ※お申込後、自動返信にて参加証(メール)が発行されますので、印刷したものを当日受付でご提示ください。

   なお、申込者多数の場合は、締切日以前に申込受付を終了することがございます。

 

お問合先

セミナー内容等に関するお問い合わせについて

(公財)科学技術交流財団 あいちシンクロトロン光センター

担当: 上原、渡辺

E-mail : aichisr-workshop@astf.or.jp